学生時代の友人から久しぶりに連絡があり、高円寺で飲むことになった。
5年ぐらい前の同窓会で会ってから、意外と近所に住んでることが判明したものの
お互い収入の乏しい妻子持ちということもあって、なかなか飲みに行く機会はなかったのだが。
昔の知人からの久しぶりの連絡って結構な確率で何かの勧誘だったり借金相談だったりと
面倒なことが多かったんだけど、今回は違う方向で、夫婦生活円満の秘訣について知りたいと。
何かあったのだろうかと心配になるが、自分にしたって別に秘訣なんかは特にない。
煮込みを食べながら考える。秘訣ってなんだろう。味噌のしみた大根をかみ締めながら思う。
確かに同級生の中では早めに結婚もしたし、気づけば10年以上続いている。
モツと煮汁を器にとり、ネギをのせてズズッとすする。それぞれの材料がうまく融和している。
一言つぶやく。 「この煮込みのようなもんだよ」
思いついたままに適当なことを言ってみたが、友人には伝わらなかったようだ。
もつ焼きが出てくる。
瓶ビール1本をわかちあい、1人アタマ1,000円を切るためには、もう追加はできない。
しかし3本ずつのこの串は食べでがあり、噛んだらにじむモツらしさがなんとも旨い。
だがさすがに 「円満の秘訣はモツ焼きのようなもんだよ」 と言うに、良い例えは浮かばない。
そんな思案を他所に、友人は別の卓に座る女子を眺めて「きれいな脚してんな~」とのたまう。
結局、「そ~ゆ~のを嫁だけに言ってりゃ大丈夫だよ」と結論づけて、席を立つことにした。
後日、友人が嫁と子供を連れて我が家へ遊びに来たのだが、
どんな不満があるのかわからんくらい美人だったんだよなぁ。
今から思えば自慢するための伏線だったんだろうか。。。
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